星にキス。
「ほら…… 最近になって、急にでしょ? 今までなんて“翔ちゃん”のことを忘れていたかのようなかんじだったのに」
「うーん、そうだけど…… たまたまだよ」
「相手側に迷惑かけないようにしなさいね」
“迷惑”か……。
あたしは、翔ちゃんのお母さんに迷惑かけたのかな?
突然の、あの電話。
故意があったわけではない。
ただ…… 純粋に、あたしは“翔ちゃんの声が聞きたい―――” そう、思ったんだ。
「あたし、荷物、部屋に置いて来るから」
お母さんとこれ以上顔を合わせているのに、胸が痛んだ。
別に…… 悪いことをしているわけじゃない。
あたしから電話をかけているわけでもない。
ただ、毎回掛かってくるだけだ。
あたしは…… 掛かって来るから、電話に出ているだけであって。
――― 決して、迷惑をかけているつもりはない。