星にキス。




階段を上り、自室に入る。


翔ちゃんのお母さんのメアドは知らない。

知っているのは、ケー番のみ。


元は、翔ちゃんの声が聞きたかったから――― 翔ちゃんと話したかっただけなのに。

…… どうしてかな?

なぜか、思うようにいっていない気がする。


初めて電話をかけたのが、4月頃。

あれから――― もう、4ヶ月は経っている。


なのに…… どうして、あたしはいまだに翔ちゃんと話せていないんだろうか?


「おかしな話し」


あたしの記憶の中の翔ちゃんは、一緒に駆け回っていたあの――― 幼い記憶のみ。

大きくなってからは、あまり思い出せない。


時々、会っていたとしても。

“恥ずかしい”って気持ちが全面に出てしまって、昔のように、話せなかったんだ。


それは、あたしだけでなく翔ちゃんも同じだった。




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