星にキス。
「あーあっ、ついにあたしたちも“受験生”だよ。 この3年間、あたしなんて1度も彼氏なんて出来なかった」
紙パックのオレンジジュースを口に含み、ハルが頬杖を付いた。
彼氏…… あたしたちは私立の女子校に通っている。
そんな中で“彼氏”なんて。
「無理でしょ」
ズバッと、言い切った。
「やっぱりー? 入る学校、間違えたかなー?」
クラスでも彼氏がいる子は…… 1人いるかいないか。
「彼氏が出来ないのは女子校の宿命だよ」
「ナツは“彼氏欲しい”って思わないの?」
「べっつにー、だって……」
彼氏。
いないより、いたほうがいいのかも知れないけど。
今のあたしには……。
「いらない、かな?」
「残念。 あたしが男ならナツのこと好きになるのになー」
「あたしは、ハルが好きだよ」
「ナツに“好き”って言われてもね」
女子校なんて、こんな感じだ。
男の子がいないから、比較的自由に過ごしている。