星にキス。




タタタッと階段を駆け降りた。


テーブルの上には、お昼ご飯が並んでいる。


「はい、ナツ…… これ、持っていって」


「はーい」


今日はお母さんのお仕事がお休みだから、二人でご飯を食べる。


普段は一人で食べることが多いけど…… 今日は二人なので、心持ち…… どこか嬉しさが大きい。



「ナツ、勉強頑張っている?」


「うん、大丈夫だよ」


お母さんと向き合いながらご飯を食べる。


「やっぱり、塾の夏期講習に参加した方が良かったんじゃない?」


お母さんはずっと、あたしに“夏期講習に参加しろ”って言って来る。

でも…… あたしはそれをずっと断り続けていた。


「なんか、あたしに塾って合わなくて……」


「でも、一人でやるより勉強がはかどるんじゃない?」




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