星にキス。
「ハル、珍しく白いじゃん」
制服の下から伸びるハルの腕が白く、本当に…… 勉強ばかりだったんだ。
「ナツは、少し焼けたね」
「うん。 たまには図書館行ったりしたからね」
あたしの家の近くには、自転車で数分の所に小さいながらも図書館がある。
時々、気分転換と称してあたしは出かけていた。
人も少なく、落ち着いて勉強が出来る場所。
「その往復で焼けたみたい」
「健康的でいいねー!」
勉強ばかりだと、体が鈍(ナマ)る。
受験は勉強が勝負じゃない。 長い、受験を乗り切るには体力だって必要になる。
「図書館とか…… あたしも行こうかな?」
ハルが頬杖を付いて、考える。
「悪い場所じゃないよ」
模試が始まる、ほんのひと時。
ハルとの会話が弾んだ。