星にキス。
*進路。【slow tenpo slow step】
その帰り道。
あたしたちは、いつものようにファミレスに寄った。
「ナツ。 進路、どうするの?」
「うん、決めたよ」
ずっと、迷っていたあたしの進路。
悩んで悩んで――― 決めたのは。
「姉妹校の、短大にする」
「そう……」
「……」
「……」
二人の間に、沈黙が広がる。
カラン――― と、オレンジジュースの氷の溶けた音が響いた。
あたしたちの沈黙を先に破った。
「短大行って、もう少し自分のやりたいことを考えようと思って……」
「ナツは、それで後悔しない?」
――― 後悔。
「だって、入学したころから“養護教諭”って言ったり“看護士”って…… ずっと、そっちの道を目指していたじゃん」
ハルの言うことは、間違っていない。
“養護教諭”や“看護士”のために、この3年間、理数科目を重点的に勉強してきた。
7時間授業や、8時間授業を受けてきた。
「ナツは、今。 理科や数学を捨てようってしているんだよ? …… 理数科目が得意なのに。 その分野を、捨てようとしているんだよ?」