星にキス。




「ふふふっ、おいし」


「それは、それは」


呆れたような言い方のハルだけど…… あたしには、ちゃんとわかっている。


ハルが嬉しそうにあたしを見ていること。

あたしを応援してくれていること。


全部、全部。 ――― わかっている。


「ありがとう、ハル!」


「あたしのおごりなんだからねーっ、ちゃんと味わってよね」


「ハルのおごりなら、チョコレートケーキも食べたい!」


「調子に乗るなッッ、バカッ」


やっぱりダメだったかー。


ダメもとで頼んでみたけど、呆気なく却下されてしまった。


「ハルが受験のときには、あたしがイチゴパフェをおごるからね」


あたしに、エールをくれたように……。

あたしも、ハルにエールを送り返したい。


「えー、イチゴじゃなくてプリンがいいー」


「やだよ。 プリンは、100円高いもん」


いつものように笑って…… 冗談を言い合った、久しぶりにハルと過ごした、ゆっくりとした時間。




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