星にキス。




なのに一体…… この変化は、何なんだろう?


「翔ちゃん、元気ですか?」


「翔? 毎日、元気よ」


「今って……」


今が、チャンスだ。 翔ちゃんの声が聞けるかも知れない。

あたしがおばさんに当初電話した目的を忘れるな。 あたしは、翔ちゃんと話したかったんだ。


「今って、翔ちゃん近くにいます?」


今日は日曜日。 この時期だから、部活だって引退している。

だから、家にいる確率は結構高いはずだ。


「ごめんね、ナツちゃん。 今、翔は家にいないの」


「…… そう、ですか」


期待、した。 これでも、期待していた。


あたしの声が、明らかに落ち込んでいたので慌てておばさんがフォローする。


「翔にナツちゃんの受験のことを話したの! そうしたらね……」


えっ…… 翔ちゃんが、あたしの受験することを知っているの?

翔ちゃんは、なんて言ったの?




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