黒い飴玉

「獏ってあの変な動物?私と似たような姿をしているのに?」


当たり前の疑問だろう。こんなイケメンが動物園の中にいたらかなり問題だ。
名前……にしても奇妙すぎる。


「あの変な動物を考えているんだろう……それとは俺は違う。確かに俺がお前等には会うことなんて滅多にないことだが。俺は化け物の“夢喰いの獏”あいつ等とは違う」


少し自嘲気味に、目線を泳がせながら冷笑した。

夢喰いの獏……

だから夢

夢のくせにわけがわかんない。


夢といわれるとふわふわしたイメージがあった


「それなら何故そんな化け物が私の目の前にいるの?」
「それは、俺がお前の夢を喰べてしまったから。といってもまだここにあるが」


そういいながら獏は私に先ほど見ていた、黒い……ビー玉の様なものを見せる。
禍々しく邪悪に煌いているせいか、見ているだけで心が吸い込まれて魅入られそうな感じがした。
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