黒い飴玉

「私の夢を?」


獏の持っている私の夢らしいものを覗き込む。

この気味の悪いものが私の夢?


「これが?」


悪夢を指差しながら獏にたずねる。
こんな気味の悪いものを自分が作ったなんて信じられない。


「そうこれがお前の作った悪夢だ」
「悪夢」


その奇妙なものに触れるようとした瞬間


「玲!」


聞いた事のないのに懐かしい、男の叫び声が頭の中にこだました。


「い……つぅ……」


その声と共に鈍器で頭を思い切り叩かれたような衝撃が一瞬はしった。
その衝撃を緩和させようと頭をさするが、痛みは落ち着かない。

「悪夢がお前に共鳴しようとしているだろう……つまりこれはお前の夢と言う事だ」

「私の……悪夢を……どうして……あなたが」


まだ落ち着かずにじんとする痛みのせいか思うように言葉が出ない。
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