黒い飴玉


「ケーキかな……モンブランもガトーショコラも好きだし……けどやっぱり好きなのはショートケーキかな?後は……」


甘くておいしくて好きなもの……いっぱいありすぎて答えられない……あーケーキの他にも昨日食べたクレープもいいなぁ……。


「いっぱいあるんだな」


私が頭に浮かぶデザートの数々を一つ一つ思い出しながら言っていたら、獏がそんな私を見ながらクスリと微笑んだ。


「えへへ」


そう言われると何となく少し恥ずかしくて、私も頬をかきながら照れ笑いをした。


「その……お前の言う、けーきやもんぶらんにも負けない味といえば伝わるか?」


人間のことはわからないと少し私から目線を外しながら続けた。


「あー……うん」


そんな彼が私の事を気にしているような感じが嬉しかった。
彼も私の事を考えていてくれているのかと……そう感じられたから。


「あなたと話せてよかった」


そう思った瞬間言葉が自然に出た。





「俺も……そうかもしれない」



視線を少しそらしながら照れたように頬をかいて呟くように言った。


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