黒い飴玉
終焉
『ジリリリリー!!』
急にめざまし時計のアラーム音がした。
「どうやら……もう起きる時間みたいだ」
獏がそう呟いた。
「どうして……」
私はまだ寝ていたかった。少しくらい朝寝坊しても構わなかった。
「あんた達が言うところの体内時計」
「体内時計?」
又私の知らない単語が出てきた。
「そう……夢の裏側にあるいつも通りの時間に起こす時計。表しか知らないあんたは初めて聞く音だと思う……そろそろ起きる時間って知らせている。後5分くらいだな、一緒にいられるのは」
「止められないの?」
私は獏との時間を失いたくなかった……
邪魔する全てのものを破壊したくなるほど。
それ程この時間が愛おしくて仕方なかった。