黒い飴玉


“カチャ”


彼が私をかばいながら私の一歩前に踏み出し、奴ら同様に奴らに対して銃を構える。

そして引き金を引く……


“カチャカチャ”


だが気味の悪い銃声音がしなかった。


「弾が入っていない」


彼が舌打ちしながら呟いた。


「え……」


私が状況を把握しようとした瞬間。


「あばよ」



“バン”


「玲!」



奴が話すのと同時に鼓膜が破れるような破壊音、そして彼が私を呼ぶ声が響いた。
< 4 / 37 >

この作品をシェア

pagetop