黒い飴玉


その音が何かの合図だったのか、その音と共にじわじわと今まで刺さっていた場所が熱を帯びてきた。

傷ついた場所を補修していくように……。



生暖かさと開いた傷口が繋がっていくような感覚が終わると次は段々と熱が冷めて落ち着いてくる。



それがとても心地よく感じた。



“シュルル”



私がその心地よさに身を寄せていると、次は急に彼の体がミイラ男の包帯のように解けてフイルムになっていった。


そして最終的に彼は一枚の長いフイルムとなり、どこかへと向かっていく。



“バン”


その瞬間

私を支えていた彼がなくなったため私は地面に思い切り落ちた。


「つぅー」


鼻と額が直撃してヒリヒリする。
私の体が急に動くようになったらしく、痛さに耐えられず顔を抑えてうずくまった。

急に動いたことに対して驚くのが普通であるのだろうが、その急激におとずれた痛みに反応することしか出来なかった。
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