黒い飴玉
「大丈夫。俺に任せろ」
「玲は絶対俺が守るから」
いまだ空中を眺めていたら、後ろのほうから聞き覚えのある、聞いているだけで落ち着く彼の声が聞こえた。
「後……少しで終わりだ」
振り向いて空中を見渡すと、フイルムの映像を流しているのか、まるで走馬灯のように様々な場所で様々なシーンが映し出されていた。
「玲!」
「大丈夫」
「もう逃がさない」
私にこの出来事を地獄か天国にいっても忘れさせないようにか、今までの出来事を見せていく。
私はその光景を固唾をのんで見つめた。
“バン”
見ていると最後に……私が銃弾を打たれるシーンが流れた。
“パラパラ”
その音と共に色以外何もなくなったこの空間から色も剥がれ落ちていくように消え、とうとうこの空間には何もなくなった。
私以外何もなくなると、今度は私の体が砂のようにサラサラと大気に溶けていった。
そして……
まるでどこかに吸われていくような感覚と共に砂になった私はどこかへ連れて行かれた。