涙飴
華耶に聞かれたらまずい事でもあるのだろうか。


「分かってると思うけど……あたし、鳴海の事好きになったっぽい……」


顔を真っ赤にして言う美津菜は、いつもより可愛く見えた。


「ぽい、じゃなくて好きなんでしょ?
頑張ってね!」




「え!?美津菜好きな人いるの?」


いつの間に華耶が戻って来ていた。
美津菜の方を見ると、笑ってはいるけれど、何処かいつもと違う雰囲気が漂っている。


「え……いないよ!」


何故だかは分からないが、美津菜が華耶にバレないようにしている事は理解出来た。


「だってさっき、姫月が言ってたじゃん」


「え……聞き間違いじゃない?
ね?姫月」


「……あ、うん」
< 106 / 268 >

この作品をシェア

pagetop