涙飴
「で、何か話す事があるんでしょ?」


あたしはそう言って、ポテトを一本口の中へ放り込んだ。


「……うん。やっぱわかったよね」


美津菜のポテトはまだ一本も減っていない。
そんなに深刻な内容なのだろうか。
何だかこっちまで深刻な表情になってしまう。


「何で華耶に嘘ついたの?」

思い切ってそう問い掛ける。
今までの美津菜からして、友達に嘘をつくなんて考えられなかった。
美津菜は誰よりも友達思いで、誰よりも友達を大事にしている。


なのに、一体どうしたというのだろう。
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