涙飴
「塾でさ、坂中だった子と友達になったんだ。
華耶って坂中だったじゃん?「


「うん」


坂中、とは県立坂間中学校の事だ。
その中学からこの高校への進学者は、指で数えられる程度しか居ない。


「あたしがさ……華耶の話をしたら、その子が華耶とは友達止めた方がいいって言って来て……。
その子、華耶の『被害者』なんだって」


「被害者?どういう事?」


「やっぱりあの噂は本当だったみたいでさ……その子は彼氏ではなかったんだけど、好きな人を華耶に言ったらいきなりその人と仲良くしだして……結局華耶に取られちゃったんだって」


「え!?彼氏じゃなくても取られるの?」


いきなり大声を出したから、美津菜が驚いたような顔をした。


「うん。坂中の中では有名だったみたい……女子からはすっごい嫌われてたんだって。
ブリッ子で自己中で男好きな奴、そう言われてたってその子が言ってた」
< 110 / 268 >

この作品をシェア

pagetop