涙飴

補習

『テストで赤点だった人は夏休み補習決定!by担任』


黒板に貼られたA4サイズの紙に、大きな字でそう書かれていた。


「補習だってー…どんまい!」


「ちょっ…美津菜?あたし補習決定だなんて一言も言ってないんですけど?」


そう言ってあたしは、自慢気に成績表を見せた。


「赤点ないじゃん!」


「でしょ?あたしだってやれば出来るんだから」


「まぁ自慢できる点数でもないけど……」


「うっうるさいなぁ」


あたしは美津菜の手から成績表を奪い取る。

するとその成績表を、今度は華耶が奪い取った。


「あれ?でも、中間テスト……数学赤点だよ?」


「へ?」



もう一度黒板に貼られた紙を、今度はもっと至近距離で見る。


『テストで赤点だった奴は夏休み補習決定!by担任


(中間と期末で)』



うっそ……。


「姫月どんまーい!」


美津菜がケラケラと笑いながら、あたしの肩を叩く。
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