涙飴
余裕ぶってみたけど、本当は凄く緊張していた。
大地は他に知り合いが居なかったからあたしの隣に座っただけなのに、頭の中では色んなことを考えてしまう自分がいる。


大地の事諦、めたはずなのに……。



「でもちゃんと話すのって久しぶりだよな」


プリントの問題を解きながら、大地が話しかけて来た。


「そう?」


「そうだよ!最近メールもしてないし。てかメールしても返事返って来ねーし」


返って来ない理由に全く気付いていない様子の大地に、あたしは小さく溜め息を吐く。


「あたしだってそんな暇じゃないし、華耶に誤解されたら嫌だし……」
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