涙飴
次の日の補習も、隣には大地が居た。


昨日の様にプリントを解いていると、大地があたしの肩をつっついて来た。


「なぁ、この問題分かる?」


大地は問いの二番を指で指しながら、あたしに問い掛けて来る。

その問題は、五十嵐に教えてもらったものと、同じ形式のものだった。

あたしは五十嵐から言われた言葉を思い出し、そのまま大地に教えた。


「……ここの数字をXに置き換えて、方程式を作れば答えが出る筈」


「ああ、そっか。サンキュー!」


大地が、笑顔であたしに言った。

その笑顔を見た瞬間、胸が締め付けられる様な感覚に陥る。


その時分かったんだ。

やっぱりあたし……
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