涙飴
華耶は本当に可愛い。

性格も女の子ーって感じで、大口開けて笑ったりはしないし、お笑い芸人の物真似なんかもしない。


そんな華耶がモテないはずもなく、入学してわずか一ヶ月にして既に二人からの告白を受けている。



あたしも華耶みたいに可愛かったら、今頃大地と恋人同士だったのかな……。

一応やれることはやってる。
髪だって毎日ちゃんと手入れ頑張ってるし、メイクだって雑誌を見て一生懸命研究した。
大地と釣り合う位可愛くなりたくて、自分なりに精いっぱい頑張ったつもりだ。

でも、もしあたしがもっと可愛いかったら、こんなに悩まなくてもすぐ告白して恋人同士になれてたのかもしれない。


「ごめーん!」

美津菜が走りながら教室に入ってきた。
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