涙飴
「告白した事……後悔してんのか?」


五十嵐はそれだけ聞いて来る。


「……ううん!告白して良かったと思ってる。
じゃなきゃ、大地とあんな風に笑いながら話す事も出来なかっただろうし、今笑う事さえ出来なかったかもしれない。
五十嵐には本当に感謝してる。ありがとう」


大地の事を頭に思い浮かべる。
もしかしたら、このお祭に華耶と来ているのかもしれない。
けれど、もう辛くはならなかった。


「……正直、完全に吹っ切れた訳じゃないと思う。でも、もう辛くないよ。告白した後も泣かなかったし」


正直な気持ちを五十嵐に伝えた。


「そっか、頑張ったじゃん」

小さな声だったけど、確かに五十嵐はそう言ってくれた。そして、あたしに向かって微笑んだ。


心臓が急に早く鳴りだす。


気付いたら五十嵐はまたいつもの表情に戻っていたけど、初めて五十嵐が笑ってる所を見た。

思った通り、笑うと凄くかっこいい。
それに、たった一瞬五十嵐の笑顔を見ただけで、こんなにも気持ちが温かくなる。


「五十嵐が笑った所、初めて見た……」


あたしがそう言うと、五十嵐は赤面する。
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