涙飴
美津菜はあたしの隣でお弁当を食べ始めた。
今度は美津菜の顔を見る。
美津菜も可愛いんだよな……。
綺麗に整ってるし。


「姫月?」


美津菜があたしの顔の前で手を振る。
あたしはハッと我に返った。


「ねえ、あたしこんなんで彼氏出来るかな……」


独り言の様に、あたしはポツリとそう呟いた。


「う~ん……難しいかもね」


美津菜が真剣な顔をして答える。


「どーせあたしは華耶とか美津菜みたいに可愛くないし……」


あたしがいじけた様に言うと、美津菜はハハッと笑う。


「冗談だって!
でも姫月ってあんまり素直に感情を表に出さないから、相手になかなか気持ち伝わらなそうだよね」


悪びれる様子もなくそう話す美津菜。

事実なだけに反論も出来ない。
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