涙飴
笑顔
明日から二学期が始まるというのに、目の前には空白のノート。
そして必死に写す美津菜。
「終わんなーい!もう泣きそう……」
あたしもノートにシャーペンを走らせながら、小さく溜め息を吐く。
毎回夏休み前は七月中に宿題を終わらせようと意気込んでいるくせに、結局八月の終わりに慌て出すというパターンになってしまう。
そして今年もやっぱりそのパターンだった。
「喉渇いたー!姫月飲み物ー!」
そう嘆いて美津菜は床にゴロンと寝転がる。
「はいはい。てかさぁ美津菜、あの後鳴海とどうだった?」
お祭の日を思い出して尋ねると、美津菜の頬にポッと明かりが点く。
「え……手、握った」
「良かったじゃん!」
そうあたしが言うと、美津菜は笑顔になった。
でも、何だかんだ言ってあたしと五十嵐も手を握った上に、抱き寄せられたんだよね。
その時の事を思い出して、また顔が熱くなる。
「姫月わざとはぐれてくれたでしょ!本当ありがとね!」
やっぱり美津菜はあたしがやったと思ってた様だ。
「あたしじゃなくて五十嵐がやったんだよ」
「へ!?うっそだぁ~」
予想通りの反応に、何だか面白く感じた。
そして必死に写す美津菜。
「終わんなーい!もう泣きそう……」
あたしもノートにシャーペンを走らせながら、小さく溜め息を吐く。
毎回夏休み前は七月中に宿題を終わらせようと意気込んでいるくせに、結局八月の終わりに慌て出すというパターンになってしまう。
そして今年もやっぱりそのパターンだった。
「喉渇いたー!姫月飲み物ー!」
そう嘆いて美津菜は床にゴロンと寝転がる。
「はいはい。てかさぁ美津菜、あの後鳴海とどうだった?」
お祭の日を思い出して尋ねると、美津菜の頬にポッと明かりが点く。
「え……手、握った」
「良かったじゃん!」
そうあたしが言うと、美津菜は笑顔になった。
でも、何だかんだ言ってあたしと五十嵐も手を握った上に、抱き寄せられたんだよね。
その時の事を思い出して、また顔が熱くなる。
「姫月わざとはぐれてくれたでしょ!本当ありがとね!」
やっぱり美津菜はあたしがやったと思ってた様だ。
「あたしじゃなくて五十嵐がやったんだよ」
「へ!?うっそだぁ~」
予想通りの反応に、何だか面白く感じた。