涙飴
「嘘じゃないよ!五十嵐は皆が思ってるよりずっといい人だよ」


「……五十嵐と何かあった?」


美津菜の問い詰める様な台詞に、あたしは分かりやすく動揺する。


「へ!?ただあたしは五十嵐がわざとはぐれてくれたから……」


「まぁそれはあたしも感謝してるしいい人だと思うけど、さっきの言い方はそれだけじゃなかったもん」


こんな時に、美津菜の勘の良さを恨む。


「別に何もないよ。
美津菜喉渇いたんでしょ?飲み物持って来るね」


「……分かった。英語の教科書貸りてるから」


「うん」


あたしは、美津菜の鋭い視線を背中に感じながら部屋を出た。
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