涙飴

友達

今日から二学期が始まる。
久しぶりの教室は、いつもと変わらず笑い声で騒がしい。

真っ黒に日焼けした人もいれば、髪の毛が黒から茶色へ変わっている人も居る。


「何かもう夏休み終わっちゃったんだねー」


美津菜はしみじみとした口調で呟く。
あたしは無意識に五十嵐の姿を目で探していた。


「五十嵐、髪の色かわってる」


前も凄かったけど、それよりも明るい茶色になっていた。


「また熱い視線送ってる~。やっぱり好きなんでしょ?」


「好きじゃないよ!たまたま目についただけ……」


たまたまだなんて自分でも良く言えるよな、と思う。
さっきまで探してたくせに。

それにしてもいつ染めたんだろう。
親とか先生とかには怒られないのだろうか。

すると五十嵐がこっちを見て来て、一瞬目が合った。

だけどあたしは分かりやすく目を逸らした。

あたしは自分が凄くドキドキしている事に驚く。

たまたま目が合っただけなに。
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