涙飴
涙が頬を伝って落ちる。
止まらない。


こんなに沢山んの涙を我慢していた事に、自分でも驚いた。


すると、五十嵐があたしの頭に手をのせてポンポンと叩いた。

まるで小さな子供をあやす様な、たったそれだけの事だけど、あたしの心は凄く落ち着いた。



どうして、五十嵐は分かったんだろう。


あたしが笑顔を作っていた事も、華耶の事を許せていなかった事も、こんなに涙を我慢していた事も。


どうして分かったのか、それは分らないけど、気付いてくれた事が凄く嬉しかった。



今まで言えなかった事が、五十嵐の前だとこんなに素直に言えた事にもびっくりした。




あたしの中の五十嵐という存在は、確実に大きくなっていた。
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