涙飴

宿泊学習

体育祭も終わり、クラスは一気に二週間後の宿泊学習の話題でいっぱいになった。
今の時間に細かい事を決めるらしい。


「うちら同じ班でいいよね!」


美津菜はあたしの方を見て言って来た。
あたしもそのつもりでいたから勿論頷いた。

でも、あたしは気付いていた。

美津菜がさっきからある一方に視線を送っている事に。
視線の先には鳴海がいる事に。


「男子はどうする?」


美津菜の思っている事は分かっていたけど、一応尋ねてみる。

案の定、美津菜はまた鳴海の方を見て、そしてあたしを見て来た。


「一緒の班になりたいなら言って来ればいいじゃん!」


そう言って美津菜の背中をポンッと押す。


「うん……まぁそうすれば五十嵐とも同じ班になれるしね!」


まだ美津菜は勘違いしている。
あれから何度否定しても、あたしが五十嵐の事を好きだと思っている。
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