涙飴
もう一度黒板の方に目をやると、美津菜が早速さっき言ってた席に名前を書いていた。
御丁寧にあたしの名前までしっかりと。
満足気な顔をした美津菜が戻って来た。
「あたしあそこでいいとか一言も言ってないよね?」
「え?まあいいじゃん!こういうのは早い者勝ちだからね!五十嵐の隣なんていうプラチナチケットを皆が欲しがらない訳ないし。
姫月だってあそこの方がいいんじゃないの?」
美津菜はまだ勘違いしている。
でも正直五十嵐と隣っていうのは嫌じゃない。
むしろ嬉しがってる自分が居る。
だけど、好きじゃない。
好きになっては駄目だ。
こんなに沢山ライバルがいたら勝てる訳ないし、第一全然釣り合わない。
こんなあたしが五十嵐の事を好きになっては駄目だ。
「はぁ?」
突然美津菜が顔からは想像出来ないような声を出す。
「何?美津菜……」
「何で華耶がいる訳!?」
美津菜は黒板を見ながらそう言った。
あたしも黒板を見ると、あたしと五十嵐の間の補助席に『九條』と書かれていた。
御丁寧にあたしの名前までしっかりと。
満足気な顔をした美津菜が戻って来た。
「あたしあそこでいいとか一言も言ってないよね?」
「え?まあいいじゃん!こういうのは早い者勝ちだからね!五十嵐の隣なんていうプラチナチケットを皆が欲しがらない訳ないし。
姫月だってあそこの方がいいんじゃないの?」
美津菜はまだ勘違いしている。
でも正直五十嵐と隣っていうのは嫌じゃない。
むしろ嬉しがってる自分が居る。
だけど、好きじゃない。
好きになっては駄目だ。
こんなに沢山ライバルがいたら勝てる訳ないし、第一全然釣り合わない。
こんなあたしが五十嵐の事を好きになっては駄目だ。
「はぁ?」
突然美津菜が顔からは想像出来ないような声を出す。
「何?美津菜……」
「何で華耶がいる訳!?」
美津菜は黒板を見ながらそう言った。
あたしも黒板を見ると、あたしと五十嵐の間の補助席に『九條』と書かれていた。