涙飴
あたしはじっとその文字を見つめた。

気が付くと、隣にいたはずの美津菜が先生の所で抗議していた。


「先生!なんで華耶があそこなんですか!?」


ここからでも十分聞こえる美津菜の声。

おそらく自分の席に座っている華耶にも聞こえているだろう。


「人数が多いから補助席使わないと足りないんだよ。
でも皆補助席はやだって言ってて……そしたら九條が自分が補助席行くって言ってくれてさ。
本当助かったよ」


その後少し先生と会話をして美津菜は戻って来た。


「華耶は本当に何考えてる訳?
自分から補助席行くなんて言って、どうせ五十嵐と隣になりたいだけでしょ?」


美津菜の怒りは更に増した様だ。

でも、華耶もここまでするなんて……本当に五十嵐の事が好きなのだろうか。


なんだろう……。

ズキズキと痛む。


この痛みは何?
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