涙飴
「んで、話って何?」


早速大地が話の内容に触れて来る。

あたしは、口を開きかけた所で考える。
今告白してフラれたら、残りの帰り道が凄く気まずくなるだろう。

告白は、家の前辺りでいいか。
うちと大地の家は向かいだから、話が長くなっても家の前だし。


「まあ取り合えずおいといて……」


「何だよそれ!」


「いいの!……大地好きな人とか出来た?」


こんな質問、あたしが大地を好きな事をばらしてる様なものだよな。
まあ、どうせこれから告白する訳だし、いいか。


「いないけど、いきなりどうした?」


いないのかぁ……って事は、あたしの事はやっぱり好きじゃないのかな……?


「いや、大地に先越されたらやだなぁと思って」


また意地を張ってしまった。
こういう事言うから駄目なのに。


「雨、降ってきたぞ」


大地がそう言った瞬間、あたしの顔に大粒の雨が当たった。
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