涙飴
あたしはそれを見届けると、元居た場所に腰を下ろした。
そしてテーブルの上にあった飲み掛けのペットボトルを手に取り、それを一気に飲み干した。


殆ど炭酸の抜けて甘さだけが残ったコーラが、喉を通り抜けていく。




「…ちょっと話があるんだけど、いいかな?」


あたしが空になったペットボトルをテーブルに置いたのと同時に話し掛けて来たのは他でもない華耶だった。


華耶はテーブルを挟んであたしの正面に腰を下ろした。



「あたし達、お風呂入って来るね」


同じ部屋の2人が、あたしと華耶にそう声を掛けると、部屋から出て行ってしまった。


部屋には華耶とあたし2人だけ。

正直華耶と2人きりにはなりたくなかった。


こんなタイミングでお風呂に行かなくてもいいのに…とあたしは思いながらも、華耶の方を見る。
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