涙飴
鳴海はそう言って力なく笑った。
そして話を続ける。
「晃正はさ、悩みとか一人で抱え込んじゃうタイプだから、本人の口からは聞いてないんだけど、多分それが原因で勉強する様になったんだと思う。
でもどんなに頑張っても竜夜には追いつけなくて、周りからはいつも比較されて……どんどん感情を表に出さなくなった。
前みたいに笑わなくなったし、誰かに何かを伝える事もしなくなった」
そこで鳴海が話を区切ると、静寂が生まれた。
周りでは色んな音がしている筈なのに、耳には何一つ入って来ない。
無音の中、あたしは今までの五十嵐との出来事を思い出し、そして後悔していた。
今まで何も知らずに接して来たあたしが、とても浅薄で愚かに思えた。
何も知らなかったのだから、仕方のない事なのかもしれない。
だけど、五十嵐はあたしの支えになってくれて、大きな力になってくれたのに、あたしは五十嵐のそんな心の傷に全く気が付かなかった。
そして話を続ける。
「晃正はさ、悩みとか一人で抱え込んじゃうタイプだから、本人の口からは聞いてないんだけど、多分それが原因で勉強する様になったんだと思う。
でもどんなに頑張っても竜夜には追いつけなくて、周りからはいつも比較されて……どんどん感情を表に出さなくなった。
前みたいに笑わなくなったし、誰かに何かを伝える事もしなくなった」
そこで鳴海が話を区切ると、静寂が生まれた。
周りでは色んな音がしている筈なのに、耳には何一つ入って来ない。
無音の中、あたしは今までの五十嵐との出来事を思い出し、そして後悔していた。
今まで何も知らずに接して来たあたしが、とても浅薄で愚かに思えた。
何も知らなかったのだから、仕方のない事なのかもしれない。
だけど、五十嵐はあたしの支えになってくれて、大きな力になってくれたのに、あたしは五十嵐のそんな心の傷に全く気が付かなかった。