涙飴
「びっくりした。
あたしそんな事一言も言ってないのに、あたしの気持ち言い当てちゃうんだもん。

それと同時に、凄く嬉しかった。
それで思ったの。もう一度、やり直そうって。


自分から愛したいと思える人と、本当に信頼出来る友達を、今度はちゃんと見つけたい。
でもその前に、今謝れる人には謝っておこうと思って2人を呼び出したの。

こんな事したって、あたしが今までして来た事が消える訳でもないし、許してもらいたい訳じゃない。
ただ、自分なりにけじめをつけたくて。
もう、あんな事したくないから。


……ごめんなさい」


華耶はそう言って、深く頭を下げた。

あたしの中にはもう怒りという感情は全く無くなっていた。
単純と言われれば、そうなのかもしれない。
けれど、全てを彼女にぶつけるのは、何処か筋違いな気がした。
華耶の言葉が何処まで本心なのかは、華耶にしか分からない。

今までの華耶から同じ話をされても、きっとあたしは聞く耳を持たなかっただろう。
だけど目の前で頭を下げる華耶は、明白にと言われれば言葉に詰まってしまうが、何かが今までとは違っている様に思えた。
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