涙飴
ガラガラという大きな音が、静かな教室内に響き渡る。
その音に反応して、一番後ろの右端の席に座っていた男子が、机の上に広げられた問題集からあたしへと視線を移した。
一瞬目が合ったが、彼は直ぐに問題集へと視線を戻す。
今のこの状況で既に心臓がいつもの二倍の速さで脈を打っているのに、気持ちを伝える事など本当に出来るのだろうか。
そんな考えが頭を掠めたが、それを振り払い、あたしは彼の隣の席に腰を下ろした。
「五十嵐って本当勉強好きだね」
あたしがそう声を掛けると、五十嵐はゆっくりと顔を上げる。
「別に、好きって訳じゃねぇよ」
五十嵐と言葉を交わすのは、あの告白された日以来だ。
久々の会話に、また速くなるなる鼓動。
「……勉強なんて、大嫌いだよ」
そう、ポツリと呟く五十嵐。
じゃあどうして、そう聞こうとした時、あたしはさっき鳴海から聞いた話を思い出した。
その音に反応して、一番後ろの右端の席に座っていた男子が、机の上に広げられた問題集からあたしへと視線を移した。
一瞬目が合ったが、彼は直ぐに問題集へと視線を戻す。
今のこの状況で既に心臓がいつもの二倍の速さで脈を打っているのに、気持ちを伝える事など本当に出来るのだろうか。
そんな考えが頭を掠めたが、それを振り払い、あたしは彼の隣の席に腰を下ろした。
「五十嵐って本当勉強好きだね」
あたしがそう声を掛けると、五十嵐はゆっくりと顔を上げる。
「別に、好きって訳じゃねぇよ」
五十嵐と言葉を交わすのは、あの告白された日以来だ。
久々の会話に、また速くなるなる鼓動。
「……勉強なんて、大嫌いだよ」
そう、ポツリと呟く五十嵐。
じゃあどうして、そう聞こうとした時、あたしはさっき鳴海から聞いた話を思い出した。