涙飴
今のあたしには悲しすぎる響き。

あたしは気持ちをまぎらわせようと辺りを見渡した。
窓からは暖かい六月の日差しが注ぎ込み、レポート用紙が眩しく照らされる。


静かな教室。

黒板の緑は、チョークの粉で綺麗とは言い難い色に染まっていた。



レポートを書くシャーペンの、コツコツという音。
隣のクラスからは、恋バナでもしているのか、数人の女の子の笑い声がうっすらと聞こえて来る。



そんな中、三つの机を向かい合わせにくっつけて、レポートを書くあたし達。





…………と、もう一人。
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