涙飴
やっぱりまだ、大地の事が好きなんだ。
馬鹿じゃないの?
早く、忘れたいのに。
だけど、涙が一粒溢れる。
声を必死に押し殺す。
今泣いたら駄目だ。
あたしは端に座っている五十嵐をチラリと見る。
ここで、泣きたくない。
ここから出なくちゃ。
あたしは筆箱をバッグへ投げ込み、レポートを急いで手にとり五十嵐のいる席の隣にあるドアへ走る。
早く…早く……。
「あっ!」
あたしの足が机の足に引っ掛かってしまった。
よりによって、五十嵐の目の前で。
何とか転ばずには済んだものの、びっくりしてレポート用紙を落としてしまった。
あたしは恥ずかしさを感じながら、四枚のレポート用紙を急いで拾い集める。
拾ったのは三枚。
最後の一枚は、五十嵐の足元にあった。
あたしが取ろうとすると、五十嵐がそれを先に拾って無言であたしに渡してきた。
「あ……ありがとう」
思わぬ優しさに、呆気にとられながらもそう答える。
手を差し出して受け取ろうとした瞬間、レポート用紙に一粒涙が落ちた。
今まで必死に堪えていたのに、その一粒が零れた瞬間、次から次へと涙が溢れ出す。
レポート用紙を受け取ると、急いで教室を後にした。
馬鹿じゃないの?
早く、忘れたいのに。
だけど、涙が一粒溢れる。
声を必死に押し殺す。
今泣いたら駄目だ。
あたしは端に座っている五十嵐をチラリと見る。
ここで、泣きたくない。
ここから出なくちゃ。
あたしは筆箱をバッグへ投げ込み、レポートを急いで手にとり五十嵐のいる席の隣にあるドアへ走る。
早く…早く……。
「あっ!」
あたしの足が机の足に引っ掛かってしまった。
よりによって、五十嵐の目の前で。
何とか転ばずには済んだものの、びっくりしてレポート用紙を落としてしまった。
あたしは恥ずかしさを感じながら、四枚のレポート用紙を急いで拾い集める。
拾ったのは三枚。
最後の一枚は、五十嵐の足元にあった。
あたしが取ろうとすると、五十嵐がそれを先に拾って無言であたしに渡してきた。
「あ……ありがとう」
思わぬ優しさに、呆気にとられながらもそう答える。
手を差し出して受け取ろうとした瞬間、レポート用紙に一粒涙が落ちた。
今まで必死に堪えていたのに、その一粒が零れた瞬間、次から次へと涙が溢れ出す。
レポート用紙を受け取ると、急いで教室を後にした。