涙飴
知らない間に話は進んでいき、屋台はかき氷、焼きそば、たこ焼き、綿あめ、射的で決定した。


「どれにする~?
やっぱり午前の方が良いよね。
午後遊んでそのまま後夜祭行きたいし」


そう言いながら美津菜はあたし達の方を見た。


「だよね。でも午前希望者多そうじゃない?」


「だよね~!華耶は小野寺と決めてあるの?」


美津菜は手に持ったシャープペンシルをクルクルと回しながら華耶に問う。


「うん。午前にしようって話してる」


「そっか。じゃあ屋台一緒に出来るかもね」


あたしは心にも無いことを言う。
一緒に居たくない、そう思っているくせに、そんな気持ちを隠して笑顔を作って見せる。


「でも三人でやるのは焼きそばとたこ焼き位だよね。
焼きそばとか疲れそう……射的なら楽そうだな!」


「美津菜はすぐ楽な方に走るよね……」


「姫月うるさい!」
< 69 / 268 >

この作品をシェア

pagetop