涙飴
あたしの字はおもいっきり丸文字で、頑張って上手く書こうとすると余計下手になる。
やっぱり綺麗な字の方が屋台って感じが出るだろうし。
そして前にプリントを配った時、五十嵐の字がとても綺麗だった事を思い出す。
「五十嵐って字、上手いよね?
ここに綿あめって書いて欲しいんだけど…」
もう一度、声を掛けてみるが、やっぱり反応がない。
嫌われているのだろうか。
するといきなり、五十嵐はしゃがんむと筆を手にとった。
「……色は?」
「え!?あ……黒」
びっくりした。
初めて言葉を交わした。
何だか、少しばかり嬉しくなる。
五十嵐は筆に黒い絵の具を浸けて、オレンジの布に筆を滑らせていく。
あたしはつい五十嵐の手元を目で追ってしまう。
ゴツゴツしてるけどスッとしていて、綺麗な手。指も長いし、手フェチの子が好きそうな手をしている。
気付いたら『綿』がかき終り『あ』を書き始めていた。
「上手い……」
教科書に出てくるような綺麗な字で、五十嵐は『綿あめ』と書き終えた。
やっぱり綺麗な字の方が屋台って感じが出るだろうし。
そして前にプリントを配った時、五十嵐の字がとても綺麗だった事を思い出す。
「五十嵐って字、上手いよね?
ここに綿あめって書いて欲しいんだけど…」
もう一度、声を掛けてみるが、やっぱり反応がない。
嫌われているのだろうか。
するといきなり、五十嵐はしゃがんむと筆を手にとった。
「……色は?」
「え!?あ……黒」
びっくりした。
初めて言葉を交わした。
何だか、少しばかり嬉しくなる。
五十嵐は筆に黒い絵の具を浸けて、オレンジの布に筆を滑らせていく。
あたしはつい五十嵐の手元を目で追ってしまう。
ゴツゴツしてるけどスッとしていて、綺麗な手。指も長いし、手フェチの子が好きそうな手をしている。
気付いたら『綿』がかき終り『あ』を書き始めていた。
「上手い……」
教科書に出てくるような綺麗な字で、五十嵐は『綿あめ』と書き終えた。