涙飴
「おっはよー!!」


教室に入った途端、明るい声と共に美津菜が駆け寄って来た。


「美津菜おはよー」


「遅刻ギリギリじゃん!」


「ちょっと話しててさ」


華耶が時計を見ながら言う。
あと三分もすれば、HRが始まる時間だ。


「話って?」


一瞬ドキッとしたけど、すかさず華耶が口を開いた。


「宿題の話。レポート提出今日まででしょ?」

「あ─────!」


いきなり美津菜が、教室全体に響く程の大きな声を出す。
多分宿題忘れてたんだろうけど。


あたしと華耶は顔を見合わせて笑った。
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