涙飴

勉強会

「何で文化祭一日しかないの~!?」


「テストがあるからじゃん?」


あたしのぼやきに冷静に答える美津菜。


『テスト』
その三文字を聞くと、みるみる顔が青ざめる。


「テ…テスト……っていつだっけ?」


「一週間後だよ」


華耶の声があたしのテンションを更にどん底にまで突き落とす。


「いっしゅうかん…どうしよう……」


やばい。
さすがに前のような点数をとったら、留年も『もしも』の話ではなくなって来るかもしれない。


「あ!じゃあさ、これからテストまで毎日勉強会しない?」


「勉強会?」


美津菜の提案に、華耶とあたしは同じ言葉を発した。


「うん。放課後図書室でさ。良くない?」


確かにそれはいいアイディアかもしれない。
華耶を見ると、複雑な表情をしていた。


「ごめん……あたし大地君と勉強会することになってるんだ」


またか、とあたしは小さく溜め息を吐く。

華耶の口からの大地の名前は聞き慣れた。


「そっか……じゃああたしら二人で勉強するからいいよ!」


あたしは微笑みながら華耶にそう言った。
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