涙飴
あれから毎日四人で勉強をするようになった。
そしていつも五十嵐は、あたしに勉強を教えてくれる。
それだけでも正直意外だったけれど、五十嵐の教え方は凄く分かりやすかったにはもっとびっくりした。

馬鹿なあたしにも理解出来るくらい丁寧に教えてくれるし、分からない所は分かるまで教えてくれる。


「鳴海ってさ……なんでいっつも四時半頃に帰るんだろ」

美津菜は最近鳴海の事ばかり話している。

でも確かに、それはあたしも疑問に感じていた。


「聞いてみればいいじゃん」


「でもさ、やっぱ聞きにくくない?」


「彼女と会ってるんじゃん?もしくは女遊びとかだったりして」


「へっ!?そ、そんな訳ないよ」


そう言いながらも美津菜の顔はみるみる青ざめていく。


「冗談だよ!ていうか何でそんなに気になってんの?」


美津菜の気持ちは何となく分かってはいたものの、あえてこの質問を美津菜へ投げ掛ける。


「え!?べ…別に……ちょっと気になっただけ……」


案の定美津菜の顔が赤く染まっていく。
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