涙飴
本当分かりやすいなぁ。


「……てか、華耶は?」


「小野寺のとこ」


胸の奥がズキンと痛む。


「ふーん……仲良いね」


「そりゃあカップルだし」


カップル、か。
胸の痛みが更に増す。

諦めたつもりだったけど、これでは未練たっぷりだ。


そしてまた今日も、勉強を始める。


「やる気あんの?」


「え?」


「だからさぁ……分かんないっつーから教えてやってんのに、ボーッとして反応ないし」


今日は図書室が空いてなかったので、教室で勉強をする事にした。

運良く教室には誰もいなかった。


「ごめん五十嵐……すみません」


五十嵐の威圧に圧倒されながら、あたしは謝る。


「いや……別にいいけど」


「あ!ごめん、俺そろそろ帰るわ」


時計を見ながら鳴海が言った。
時計の針は丁度四時半を指している。

すると、美津菜がペンを筆箱にしまう鳴海を見て問い掛けた。


「何で鳴海っていつも四時半に帰るの?」
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