小さな勇者
こんな風に
転校生を見つけては声をかけ、自分の友達と引き合わせるのが得意な子。
でも自分に固定の友達はなく
男子であろうが 上級生であろが
声をかけられたら
誰とでも仲良く出来て。
瞳も例外ではなかった。
いや、ある意味
例外だったのかもしれない。
瞳は極度の
束縛タイプだったんだ。
『優美とは遊ばないで。有紗とは話さないで』
瞳の束縛は
5年生の夏休み明けから始まっていた。
でも この時はまだ
この後に起こる“事件”に発展すんなんて
あたしは おろか
友香さえも
気づかなかったんだ。