小さな勇者
いつからか、女子たちはグループを作り始めていた。


その中でも
最強のグループがあるらしく、決して逆らう事は許されない。


Aを無視しよう。
Bの上靴を隠そう。


そう決まれば、誰も逆らわずに
Aを無視し、Bの上靴を隠した。



逆らえば もちろん
次の“ターゲット”は自分。


「友香…あんたも…」
「するわけないじゃん」


アホらしい、と
友香は続けた。


そして今のターゲットは優美で
それに従うのが 瞳だった。


瞳は友香がターゲットになるのを恐れてか


それとも自分がターゲットになるのを恐れてか


5年生の2学期に入った頃からずっと『優美と遊ぶな』と友香に言い続けてきたそうだ。


でも友香は


「優美はいい子だよ。何も悪い事してないし、関係ないもん」


と、瞳の口癖を聞き流していたと言った。


そして6年になって
瞳は ついに痺れを切らしたのか


『友達やめよう』という手紙を友香に渡した。


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