小さな勇者
友香が書いた返事を見せてもらった。


【分かったよ。今までありがとう。でも、またいつか話せるといいな。 友香より】


友香は謎の虐めより
自分が大切にしたいと思う友達を選んだのだ。


「手紙、置いてくるね」


そう言って立ち上がった友香を
あたしは もう1度 引き留めた。


「渡さなくていいよ。こんなバカみたいな虐め、許しちゃダメだよ」


あたしは学校に電話し、担任に一部始終を話した。


担任…矢野先生は男性で 当時30歳。


結婚はしているが、子供はいない。


女子特有の“グループ作り”を理解してもらえるか不安だったけど


…誰かが止めなきゃ
誰かが犠牲になる。


もう“子供の喧嘩”の域を越すのは時間の問題。


あたしは そう感じていた。


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