同居人が男の子!?





多分、怪しげな笑みを浮かべている。



あたしを笑ってる。





『光樹くんってぇ、案外ちょろいんですねえ』




弾んだ声。
やけに静かな廊下に響いた。


光樹がチョロい?
なんの話?


どういうこと?



喉になにかが詰まったように声がでない。


出たとしても…



「ぇっ…」


反抗もできない弱い声。


それもまた宙を舞う。そして余韻を残して消えていった。



手に握るケータイは震えていて、手にはべったりの汗が。




やだやだ。


やだやだ。



聞きたくないよ。
< 257 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop