同居人が男の子!?




その子犬のようなうるうるした大きな瞳にすべすべの白い肌。



そのぽってりとした唇から放たれた言葉は残酷だった。





「蓮くんと美緒ちゃんがキスしてたよぉ」




一瞬時間が止まったかと思った。

俺を捉えていた瞳は揺れながら下へ。




「…はっ…。どこで?」


信じない。
美緒が俺以外とキスしたとか信じたくない。




「生徒会室の窓に蓮くんが見えて…美緒ちゃんもいて…。キスしたのを見ました」



「なんでお前が生徒会室なんかにいんだよ」



どすのきいた低い声。
唯花は多少ひきつった顔で俺を見上げる。




「転校したばっかりだったから……呼ばれたんですよ」



まあ。確かにそうだ。
転校してきたらまず生徒会室だよな。



…て……。



キスってなんだよ。
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