《完》オフィスでとびきりの夜を
「3月のホワイトデー
企画も、二人のタッグで
大成功させたそうじゃない」



「そんな大成功って
ほどでは……。

っていうか、どうして
そんなこと聞くんですか?」



「うん?

そうねぇ、最初に瑞樹を
指導した上司として、
彼をどう思うかと思って」



(瑞樹を――どう思うか……?)



ギュッと胸が苦しくなる。



どうしてこのタイミングで
そんなこと聞くのよ。


まるで全部わかってて
意地悪してるかのように。



……あたしはすぐには
返事ができなかった。



でも黙り込んでるわけにも
いかない。



しばらく考えた後、
あたしは抑揚のない声で
当たり障りのない答えを返す。
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